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「今だから話せる佐藤のコラム 第17号」(初めての海外生活17)

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┃◆┃(公社)いわき産学官ネットワーク協会News  2018.07.28   
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┃  「上海レポート」でお馴染みの佐藤忠幸氏より
┃ 『今だから話せる佐藤のコラム』が届きましたのでお知らせいたします。

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 中国での会社設立・販路拡大等を支援している、
(公社)いわき産学官ネットワーク協会アドバイザーの佐藤忠幸氏から
「今だから話せる佐藤のコラム 第17号」(初めての海外生活17)をお届けいたします。

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◇「今だから話せる佐藤のコラム 第17号」(初めての海外生活17)◇

富岡の歴史と初めての中国生活③
                              佐藤忠幸
 異常な暑さが続いています。
富岡川せせらぎ緑道でもこの暑さに負けてか、花は殆どなく白や薄紫色のムクゲしか咲いていません。
ムクゲは日本古来の花かと思ったら韓国の国花だそうで驚きました。
中国が原産で、日本には平安時代以前に朝鮮半島経由で渡来し、古くから庭木や生け垣として栽培されてきました。
ハイビスカスなどと同じフヨウ属ですが、フヨウ属のなかでは寒さに強いため、日本だけでなく欧米でも夏咲きの花木として親しまれているそうです。
日本では桜や梅の花を色々な紋章に使われていますが、韓国ではムクゲを用いることが多く、大変親しまれている花です。

 「横浜市金沢区富岡西」の歴史は激変していますので、エピソードを報告いたします。
併せて、私が外国で暮らすこととなった経緯について報告いたします。

【今年の海の日は7月16日】
7月21日は私の誕生日です。
学校時代は20日が終業式で21日から夏休みでしたので、浮かれてつい誕生祝を忘れられたことが度々ありました。
貧しい家庭でしたが、子供の誕生祝だけは欠かさずやってくれたのに、私の誕生日だけは(私も含めて)みんなが忘れてしまいました。
しかし、1995年(平成7年)になって7月20日が「海の日」と制定され、翌年から施行され国民の祝日の一つとなりました。
おかげで、夏休み開始日が一日早まり、これなら私の誕生日も忘れられないなと、ホッとしたものです。
ところが、2003年の祝日法改正(ハッピーマンデー制度)により、海の日が7月の第3月曜日と変わってしまい、今年は16日が海の日です。
21日は夏休み初日に戻ったというわけで少々寂しいですね。

 「海の日」は、「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」ことを趣旨としています。
さすが海洋国家日本ですね。
ちなみに世界で「海の日」を国民の祝日としている国は日本だけの様です。

ところで、海の日として祝日化される前は「海の記念日」という記念日でした。
海の記念日は、1876年(明治9年)、明治天皇の東北地方巡幸の際、それまでの軍艦ではなく灯台巡視の汽船「明治丸」によって航海をし、7月20日に横浜港に入港して、横浜御用邸伊勢山離宮へ帰着したことにちなんで1941年(昭和16年)に制定されました。
これも横浜に因んでいるのですよ。えへん。

しかし、そのくそ暑い2年後の今日、22日に東京オリンピック開幕とか。
何を考えているのかなー。選手や観客のことは無視ですね。

【海水浴発祥の地、富岡】
 海の日と言えば「海水浴」ですねー。
その海水浴発祥の地の一つが、ここ富岡であることをご存知ですか?
 海水浴はイギリスに始まり、欧米諸国へ普及していきました。
日本では大磯・富岡・保田(千葉県)・二見ヶ浦(三重県)・須磨(兵庫県)が始まりと言われています。
海水浴は医学的な療養行為として医師が普及に一役買っています。
富岡はヘボン博士、大磯は陸軍総監の松本順、葉山や湘南海岸はヘルツ博士等です。
 ヘボン博士は、全国的にはヘボン式ローマ字の発明者として有名ですが、富岡では海水浴の発案者としての方が有名で、彼の名前が書かれた「海水浴発祥地の記念碑」もあるほどです。
元々別荘地として富岡を案内されたヘボンはその風景と海の美しさに感動し、部下や学生を連れて度々通いました。
そして医師として(水温や成分から)「汐湯治」に最適であると感じ、伊藤博文などに「夏に海に入っておくと冬に風邪をひかないからやってごらん」と勧めたことから流行ったそうです。
「汐湯治」は明治中頃から「海水浴」と呼ぶようになり、今につながっています。
 なお、ヘボン博士は宣教医として1859年にクララ夫人とともに来日し以降33年後に離日するまで、医療、「和英語林集成」の編纂、聖書の翻訳、ヘボン塾(男女共学)の創設などに足跡を残しています。
ヘボン塾は後に男子部が明治学院大学となり、女子部が横浜のフェリス女学院となっています。

【海水浴客のための富岡駅】
 金沢区内の京浜急行の駅としては一番北側になる京急富岡駅は1930年(昭和5年)湘南電鉄の開業時には「湘南富岡」という仮駅で、昭和6年5月1日に「杉田」とともに正式な駅として昇格しました。
 湘南電気鉄道が開通した当初は富岡に駅を作る予定は有りませんでした。当時の富岡地域の世帯数は90戸ほどしかなかったからです。
しかし、地元の人々からの「駅を作ってほしい」という強い要望と地元有力者の鉄道会社との交渉の中で、鉄道会社側から「駅を作るなら海水浴場を作ってくれ」との条件を出されたようです。
海水浴客が利用するなら採算がとれるだろう、との見込みでしょう。
富岡の青年団が中心になって、海岸にヨシズ張り(すだれ)の小屋が作られ、1931(昭和6)年に海開きが行われました。
そんな訳ですから当初の数年間は夏季だけ、それも停車合図が有った時だけ停まったそうです。
まるで路線バスですね。


【中国工場の意識改革開始】
 中国上海のT社へ赴任して驚いたことは沢山ありますが、最も驚いたことは全員が「自分の常識で行動」していることです。
そして、幹部は(実際には幹部らしい者はいないが)それを仕方ないと認めていました。
事例を紹介しましょう。
 まず、営業に「悩みは何か」と聞くと「製品である容器への異物混入というクレームが多いのが悩みです」とのことです。
そして混入している異物の大半が「ホコリと虫」です。

1、したがって、窓は開放禁止です。
 しかし、工場を見て歩くと窓の大半が開いています。
現場責任者に「窓は開放禁止のはずだが何故閉めないの?」と聞くと「窓の開放禁止は知っていますが機械稼働中は息苦しいので開けています」とのお答えです。
2、工場と事務所との間では履物は全員が必ず履き替えることになっています。
 しかし、工場の床が汚れているので?皮肉"のつもりで「工場の汚れを事務所に持ち込まないために履物を履き替えているの?」と幹部に聞いたら「その通りです。事務所のカーペットは清掃がたいへんですから」とのお答えでした。
3、会社には制服がありますが、夏用は濃い灰色、冬用は濃紺です。
 「何故こんな濃い色を選んだの?」と聞くと「機械作業は汚れ易いので汚れが目立たない色としました」とのことです。

 その他、事例は一杯ありましたが、全てが本来あるべき姿の真逆を、至極当然のこととしてやっていました。
これでは一流企業を顧客にすることは永久に出来ません。
事実、当時は中国系の中小企業からの細々とした受注のみでした。

一年後の黒字化を目指して、次のことを直ちに実行することとしました。
 ①意識改革・・・工場大改装、制服変更、幹部社員採用、社員教育、就業規則・賃金制度制定、組織変更、全体朝礼等で徹底等々の実施。
 ②品質向上・・・品管部門設立。品質管理・検査規定の制定。5S教育、出荷検査、工程パトロールの実施。
 ③不良資産整理・・・固定資産及び棚卸資産整理により見せかけの利益をなくす。
 ④新規顧客開拓・・・工場改装により見学顧客の呼び込み・会社案内兼カタログの刷新・その他。 
 ⑤会計の明確化と原価分析・・・会計の明朗化。その他省略。 

 まず、製造を3ヶ月間停止し工場の大改装を行いました。
主な改装箇所は次です。
 ①事務所のカーペットをなくし、Pタイルにする。
 ②工場の空調機械を全て交換し空気を綺麗にし、工場の窓は全てなくす。
 ③工場の床はホコリの出ない特殊舗装工事をする。
 ④工場部門の制服・制帽・制靴は全て汚れが直ぐに分かる真っ白とする。
 ⑤工場の入り口にエアシャワー室を設け、そこで衣服と履物を替えて出入りする。
  すなわち、工場棟を準クリーンルームとする。

 これらの改装は、品質改善と社員の意識改革の為のものです。
彼らが思っていた過去の常識をひっくり返すのに大いに役立ったと思います。
「会社はやるべきことはやった!次は君らのやる気だ!」という訳です。
改装は大歓迎されましたが「工場の窓を無くす」だけは大きな抵抗がありました。
「窓が無いと暗くなる」というわけです。
しかし、T社は24時間操業の会社ですので「作業時間によって照度が異なってよいの?」と問いかけたら黙ってしまいました。

【教育実施】
工場大改装の間に、主に次の教育をしました。
 ①5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)運動の必要性と推進方法
 ②報告・連絡・相談・対策の方法
 ③5W1H(What・Why・Where・When・Who・How)による発想と報告方法
 ④PDCA(Plan・Do・Check・Action) Cycleを廻す
 ⑤生産の4要素4M(Man・Machine・Material・Method)で分析
 ⑥QC7つ道具(パレート図・度数分布図・管理図・グラフ・チェックシート・魚の骨・散布図)で原因究明
管理者向けの教育は時期尚早と判断し新入社員や監督者向けのものを選んで教育し、それを通じて社会人としての心構えや監督者としての意識付けを行いました。
外国でこれらの教育をするには言葉の違いが大きな問題となりますが、製造課長として採用した者がこれらの通訳には慣れていたことは確認済みですので教育には問題ありませんでした。
教育を受けた若者たちも大いに発奮してくれていました。
 しかし、実行段階で大きな問題となりました。
それは技術指導で赴任した日本人が、誰一人としてこれらの教育を日本で受けてなく経験も知識も無かったからです。
これらの管理手法は、言葉を教えるだけではなく、心を教えなければだめです。
その心は、職場で実践・応用しながら、その都度、注意指導されて身につくものです。
その指導員たる日本人が全く知らない、知っていても表面的なものだけでしたので日本人だけ集めて一から教育開始です。

 やれやれ・・・親会社は何をしていたのかなー。
 まあ、だから外部から私を採用したのでしょうね。
 
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