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「今だから話せる佐藤のコラム 第2号」(初めての海外生活2)

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┃◆┃(公社)いわき産学官ネットワーク協会News  2017.05.21   
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┃  「上海レポート」でお馴染みの佐藤忠幸氏より
┃ 『今だから話せる佐藤のコラム』が届きましたのでお知らせいたします。

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 中国での会社設立・販路拡大等を支援している、
(公社)いわき産学官ネットワーク協会アドバイザーの佐藤忠幸氏から
「今だから話せる佐藤のコラム 第2号」(初めての海外生活2)をお届けいたします。

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◇「今だから話せる佐藤のコラム 第2号」(初めての海外生活2)◇

       今だから話せる、初めての海外生活2
         マレーシア時代の通訳
                              佐藤忠幸

 近所の桜は次々に散り、ろくに花見もしないまま盛りを過ぎてしまいました。
花見というと染井吉野ばかりが対象となっていますが、我が家の裏斜面にある
大島桜は真っ白ですが華やかでよかったですよ。
今は、薄ピンクの御室桜が最終期で、濃いピンクの八重桜が最盛期です。
桜もその気になって鑑賞すると色々あるものですねー。
そんな日本の春を味わっている昨今です。

私はひょんなことから1990年から昨年4月までの約26年間を、マレーシアと
中国という外国で仕事をし単身生活をしてきました。
 今号は、先月に続いて1990年7月から、丸々9年間駐在したマレーシア時代
の話題を報告いたします。

【佐藤のマレーシア赴任条件】
 前任者が急遽帰任せざるを得なくなり、後任は私ということになりました。
それを引き受けるため、取締役会で次の条件を提示して承認を得ました。
①赴任期間は原則として1年とし、長くとも2年とする。
 このため、後継者候補を早急に採用し送り込むこと。
②優秀な通訳を採用する。
③現地法人の経営は佐藤に任せて、日本から余分な口出しはしない。
④社内交流費として、佐藤の判断だけで初年度に200万円使ってよい。
私は、外国語が苦手というより嫌いだということは前号で記したとおりです。
それもあって外国暮らしは苦手ですので①と②の条件を付けたわけです。
前任者のS氏が曖昧な責任と権限で赴任し、ストレスが大きくなったことへの反省
から③で権限を明確にしました。
赴任者のストレス対策と現地との融和策として④の提示をしたわけです。
 全てを承認され1990年7月16日に赴任しました。

 赴任して最初に取り組んだことは、次の3点です。
1.会社組織の立て直しと利益体質づくり。
2.現地人幹部との融和と育成。
3.派遣日本人の教育。
上記を行うためには、現地人スタッフとのコミュニケーションが欠かせません。
すなわち、通訳の位置づけが極めて高いことになります。
マレーシアの公用語はもちろんマレー語(インドネシア語とほぼ同じ)です。
しかし、マレー系60%、中国系30%インド系8%その他2%(占有率は1990
年当時)という多民族国家ですので、社内用語やビジネス用語は英語です。
英語でビジネスが出来るということもマレーシアを選んだ理由の一つでした。
しかし、私は英語すら苦手でしたので赴任前に優秀な通訳を雇っておいてもらった
次第です。
 今号は通訳の問題を重点に報告します。

【一人歩きする通訳】
 予め雇ってもらっていた通訳は、私と同世代の中国系男性です。
中国系ということもあって日本語や英語だけでなく、中国語やマレー語も達者で
重宝がられていました。
私が朝礼で訓示を述べる時も通訳してもらいました。
私は、彼の通訳能力をすっかり信用し、私が話した文節を通訳している間は、聴き
手である社員の様子を見ながら次の文節を考えていました。
だから通訳結果が正しいかどうかは一切聞いていません。
技術指導の日本人顧問も、日本語の私の話だけを聴いており通訳の良し悪しは
一切考えていませんでした。
しかし、ある時、現地人役員が日本人顧問の所に来て「今朝の朝礼で、佐藤社長
は本当に〇〇すると言ったのか?」と聞いてきたそうです。
内容は忘れましたが、極めて急進的なことで、そんなことをいきなり全体朝礼で
私が話すなんてことはあり得ないことです。
日本人顧問も驚き、私にご注進に及んできたので、次の朝礼では通訳結果を注目
しようとお互いに確認しました。
英語が苦手な私でもヒアリングだけはある程度出来ますので、私が話したことと
全く違うことに訳せば気が付きます。
実際に、私の話と異なることを彼が話しているのを聞いて驚いたものです。
また、その通訳が普段座る席は、日本人顧問団と一緒の所にありました。
私が顧問団と何か相談していると傍で聞いていた彼は、「佐藤社長は近いうちに
〇〇を発表するよ」とあちこちで話しているのも耳に入りました。
通訳としてはあり得ない行動です。
 当然!!解雇しました。

【自分が納得しないと訳さない通訳】
 次の通訳は日本人男性I氏です。
通訳というよりも、私の応援兼後継者候補で日本から送り込まれた大商社の中
年男性です。
当時の大商社は、社員が定年近くになると色々な会社に頼んでお試し雇用契約
をしてもらっていました。期間は定年まで。
契約した会社は支払い能力に応じて給料を払い、その方の実際の給料との差額
は大商社が補うというもの。
その後、その人が気に入れば直接契約で雇い入れるという仕組みです。
大変良い制度だし、I氏も良さそうな方ですので約1年来てもらいました。
I氏は、以前東南アジア子会社の社長も経験しており、英語とマレー語に堪能で
あり、子会社経営に問題は無さそうに見えました。
ところが通訳としては最悪でした。

現地人社員と話す時はI氏に通訳してもらいましたが、社員の答えがI氏の納得が
得られるまで私に通訳しないのには困りました。
例えば、次の会話です。
・私が社員に質問して、答えはAかBかと聞きました。
・この時、誰もが期待する答えはAです。
・しかし、社員はBと答えました。
・I氏は「彼の答えはBです」だけを私に伝えれば通訳の役割は果たせます。
・それを聞いた私は続きの質問ができますし、社員のものの考え方が理解でき、
次の経営方針に活かせます。
しかし、I氏はBという答えに満足せず、「何故Bなのか?」
「Aの間違いではないのか」と自分がその答えに納得するまで聞くというよりも
議論しました。
これでは通訳としての役目は果たせません。
社員もI氏と議論したいのではなく社長の私と直接議論したいのですから、I氏は
すっかり嫌われました。

でも日本人「社員」を通訳として使うと、大なり小なりこういう傾向が出ますね。
通訳に徹して欲しい時に、それが出来ない人が多くて困ります。

 通訳としてはだめでも、経営者として問題無ければ、実権をI氏に移し、私が
引っ込めばよいのですが、それも無理でした。
I氏は海外子会社の社長をしていたといってもお飾りの存在だったようで、実務
能力は全くなく、とうてい中小企業の社長は無理でした。
そのため、日本の社長と相談し、契約解除しました。
I氏から理由を聞かれたので「通訳能力が低すぎる」と答えたら絶句でした。
 I氏は通訳能力には自身があったようですが、言語能力と通訳能力との違いが
お分かりになっていませんでした。

【周囲から浮いた通訳】
 次に採用した通訳は中国系の女性です。
中国系を選ぶつもりはないが、何故か日本語通訳は中国系が多かったです。
しかし、それが後に大きな紛争を呼んでしまいました。
日本語通訳兼事務員ということで高給での採用です。
当時の事務系の職場の先輩女性は全てマレー系で、その中に中国系の彼女が
高給で割り込んだわけです。
それでも通訳能力が高ければ収まったかもしれませんが、彼女は日常会話の
通訳は問題ありませんが、経営用語、管理用語は全くダメでした。
私は、徐々に勉強すればよいと諭しましたが、周りは許しません。
結局職場から浮いてしまい、自ら辞めてしまいました。
若い人を先輩よりも高い給料で雇うということは何処の国でも難しいですね。
 そして、人種・民族問題は日本人には理解不能です。

【若手役員を通訳に】
 最後の通訳は現地人取締役のJ氏です。
彼を通訳として使ったのは、私の拙い英語を本格的な英語に直すという、
英語から英語の通訳です。

 彼のことは話せば長いこととなりますので次号に記します。
 質問やご意見はご遠慮なく下記へどうぞ。

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