メールマガジン

上海レポート10月号(和製漢語)

┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆┃(公社)いわき産学官ネットワーク協会News  2016.11.03       
┣━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┃  「中国への企業進出セミナー」でお馴染みの
┃  佐藤忠幸氏から『上海レポート』が届きましたのでお知らせいたします。

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 現在、中国は上海に事務所を構え、
中国での会社設立・販路拡大等を支援している、
(公社)いわき産学官ネットワーク協会アドバイザーの佐藤忠幸氏から
「上海レポート」10月号をお届けいたします。

==========================================================================

◇上海レポート10月号(和製漢語)◇

朝夕は、涼しいと言うより寒さすら感じる今日この頃です。
皆さま如何お過ごしでしょうか。

昨今の、抜けるような青空とくっきりとした白い雲、まさに秋空です。
中国では絶対に見られなかった空です。
余談ですが上海では最近太陽や月が見えるようになったと喜んでいました。
星は見えないか?
星空なんて、まだまだ夢の話です。

青空というと1964年の東京オリンピックを思い出します。
開会式の10月10日は会社の社員旅行で、私の部門は那須温泉に行きました。
ホテルのロビーで、全員一緒にカラーテレビで開会式を見たことを思い出します。
那須山の紅葉もよかった様な気もしますが、開会式の記憶の方が鮮明です。
当時としてはまだ珍しいカラーTVで、素晴らしい青空に五機の飛行機が白い五輪を
くっきりと描いた景色がまざまざと瞼に浮かびます。
開会式のチケットは異常な抽選倍率で高嶺の花でしたので、せめて温泉にてカラー
TVで鑑賞しようということとなったわけです。
今は昔のお話でした。
あの北京オリンピックの、人工の青空とはえらい違いでした。

先週、ある講座を聞いていたら「自由」という言葉を何回も聞きました。
・自由は有難いことだ。
・自由をかち取るには大変な苦労があった。
・自由をはき違えてはいけない。
・勝手気ままと自由とは違う。・・・等々です。
そこで「自由」という言葉を調べると、この単語が生まれて100数十年しか経ってない
ことが分かりました。
今月はこの外来語的日本語に関して報告します。


「自由」という漢字の単語は、明治時代の文明開化となってから西欧の文化・文明を
輸入しそれを翻訳しようとした時に、日本に適当な言葉が無く新たに作られた言葉で
ある。
【Freedom】という言葉と思想が入ったときの日本には、それに該当する言葉が無く
【自由】という言葉(単語)を新たに作ったのである。
その他にも、西欧の言葉には、封建社会だった日本には無かった言葉がたくさんあり、
福沢諭吉などの学者が苦労して造語したのである。
そもそも、漢字は文字通り中国漢時代の文化と文字を1500年ほど前から連綿として、
輸入し続けた遺産である。
それの読み書きを容易にし、かつ表現を豊かにするため平仮名やカタガナが日本で
発明され、読み書きが平易になり且つ表現が豊かとなったのはご承知の通り。
となると、「自由」という単語は中国から輸入した文字の中には無かったのか?
不思議なことと思わないだろうか?
そのとおり、輸入元の中国には自由が無かったからその単語は無くて当然である。
自由は無くても単語はあり、習うべきだろう?
そのとおりだが、その習う自由すら無かったのだから致し方ない。

そこで次なる疑問。
現代中国には「自由」という単語がある(あまり使えないが)がどうしてあるのか?
それは明治から昭和初期にかけて、多くの中国人留学生が日本で学び中国へ持ち
帰ったのである。
すなわち、中国は日本から逆輸入をしたわけである。
中国が逆輸入した単語は数えきれないほどある。
そのごく一例は次である。

『暗示、運動、右翼・左翼、演出、温度、概算、概略、会談、会話、回収、改訂、解放、
科学、化学、歌劇、仮定、活躍、関係、幹線、幹部、間接、議員・議会、企業、基準、
基地、義務、客観、教科書、協定、共産主義、共和国、強制、業務、金牌、金融、銀行、
組合、軍国主義、警察、景気、経験、経済学、芸術、下水道、決算、権威、限度、原子、
原則、原理、現役、現金、建築、公民、講演、効果、広告、工業、国際、債権、債務、
時間、施行、市場、市長、自由、指導、事務員、実感、実業、資本家、資料、社会主義、
宗教、集団、終点、主観、出版、将軍、消費、情報、常識、上水道、承認、所得税、
所有権、人権、人民、制限、清算、政策、政党、性能、積極、絶対、接吻、選挙、宣伝、
総合、総理、体育、体操、代表、対象、単位、直径、直接、通貨、定義、哲学、電子、
電車、電池、電波、電報、電話、投資、独裁、図書館、特権、内閣、内容、任命、熱帯、
年度、能率、背景、覇権、派遣、反響、反射、反応、悲劇、美術、否定、必要、評価、
標語、不動産、平面、方案、方程式、放射、法人、母校、本質、漫画、民族、民主、
無産階級、目的、文化、文明、目標、輸出、要素、理想、理念、立憲、了解、領海、
領空、領土、冷戦、労働組合、労働者 など 』
この他、物理、科学、化学、数学などの用語の大半は日本製である。

中国へ行ったことのある方あるいは中国と交流している方なら、
「あれーっ!これらの単語は中国で日常的に使われるから、中国から日本へ伝わった
ものかと思ったよ」と必ず言われる。
それ程多くの言葉が伝わり普及しているのである。
ただし、中国へ渡ってから意味が変わっているものもある。
それを知らずして、下手に筆談すると飛んでもない間違いを生じるので注意を要する。

とにかく、明治時代の、日本人の外国語を理解し自国の言葉に直す力には驚かされる。
鋭い感性や先見性のなす業であろう。
また、平仮名、カタガナがあることによる表現力の豊さも相まっていたのであろう。

余談だが、日本の大学の授業は大部分が日本語で行われる。
しかし、多くの外国では英語など旧宗主国の言語で授業が行われている。
それは何も先進的だから、グローバル的だからという理由ではない。
悲しきかな、自国の言語では世界に通じる高等教育ができないのである。
日本人は、自国語で教育を受けられる有難みを味わって欲しいものである。
しかし、これが外国語苦手の日本人を作ったことも事実ではある。

中国で有名な(内緒の)お話。
「日本製漢語を輸入しなかったら、毛沢東語録は書けなかった」
「魯迅は日本語で小説を書いてから中国語に直していた」
「蒋介石の作戦会議の多くは日本語でなされた」
ちなみに中国の正式な国名は「中華人民共和国」。
日本製漢語なくして国名も作れなかった。

江戸時代を終結させ文明開化を目指した日本は、当時としては先進国であり東洋に
多大な影響を与えたことは事実である。
繰り返すが、現代の中国で、普通に使っている中国語の多くが西洋の文化・文明を
訳したものだが、その多くが日本から輸入した漢語。
日本が西欧文化や文明を取り入れる時、平仮名やカタガナがあってもきちんと日本語
(漢字)に直して使っていたおかげである。

翻って、現代日本は外国語をそのまま、カタガナ用語に変形して新語として持ち込み
混乱を招いている。
カタガナ用語の無い文章を見てみたいものだ。
それともそれがグローバル化だと錯覚しているのだろうか?
しかし、カタガナ用語の大半が外国語とは異なる。
外国では通用しない日本だけの新語である。
大半は、日本語の中から該当する文字を探し当てはめる手間を抜いた手抜き用語。
カタガナ用語については、後ほど再度取り上げよう。


ところで、35年前に退職した会社の、当時の関係部門によるOB会が新潟県魚沼市
で9月下旬に行われました。
当時の若手中堅社員も全員リタイアして中年や老人となり、まさにOB会でした。
再会した当初は名前と顔がつながらず、当時の仕事内容を聞いてやっと思い出す
始末です。
出席者に共通していることは、老後の生活設計がキチンとなされていることです。
しかし、皆さんが老後の生活を意識していたわけではなく、結果として満足できる生活
を送っているということのようです。
例えば、趣味で木彫り仏像を作っている者もいました。
ボランティアや趣味で走り回っている者も、アルバイトに精を出している者も、孫の
面倒と教育を任されて忙しがっている者もいました。
いずれも、老後はどうしようかという悩みも不安も感じませんでした。

長い外国生活を終えて、日本で老後を迎える私にとっては、よい刺激と学習材料に
なりました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
佐藤忠幸/Sato Tadayuki 
TEL&FAX 045-771-1745 
MP 080-5467-4187
E-Mail: tada-sato@mvb.biglobe.ne.jp
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃発行元:公益社団法人いわき産学官ネットワーク協会(ICSN)事務局  
┃住  所:〒970-8026 福島県いわき市平字田町120番地
┃     LATOV6階 いわき産業創造館内
┃TEL    : 0246-21-7570      FAX    : 0246-21-7571
┃E-mail : iwaki-sangakukan@bz01.plala.or.jp 
┃URL   : http://www.iwaki-sangakukan.com
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃※配信の登録、及び解除については、こちらからどうぞ↓
┃ http://www.iwaki-sangakukan.com/m_magazine/
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

公益社団法人いわき産学官ネットワーク協会
〒970-8026 いわき市平字田町 120番地 LATOV6F いわき産業創造館内
TEL:0246-21-7570  FAX:0246-21-7571 E-mail:iwaki-sangakukan@bz01.plala.or.jp
Copyright (C) ICSN All rights reserved.