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上海レポート8月号(中国人留学生)

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┃◆┃(公社)いわき産学官ネットワーク協会News  2016.09.04       
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┃  「中国への企業進出セミナー」でお馴染みの
┃  佐藤忠幸氏から『上海レポート』が届きましたのでお知らせいたします。

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 現在、中国は上海に事務所を構え、
中国での会社設立・販路拡大等を支援している、
(公社)いわき産学官ネットワーク協会アドバイザーの佐藤忠幸氏から
「上海レポート」8月号をお届けいたします。

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◇上海レポート8月号(中国人留学生)◇

残暑お見舞い申し上げます。
台風が3つもウロウロされるなど気候不安定な昨今ですが、如何お過ごしですか?

日本へ戻り、隠居生活に入って3か月経ち、やっとそれらに慣れてきました。
厳密にいうと、慣れたというよりかは「否が応でも、現状に対処しなければいかん」
ということに分かってきたというべきでしょう。
この処世訓は、隠居爺の諸先輩から引退記念食事会などで、じっくりとご指導いただ
いております。

4月は中国で送別会が続き、5月以降は日本での帰国歓迎会やら引退記念会が続
き太ってしまいました。その対策でリハビリやプール歩きそして食事制限等で体重も
3Kgほど減らすことができました。  
ところが、8月はお盆休みを利用して、リハビリを中止して入院しました。
入院といっても6月に行った大腸内視鏡検査で発見された、大腸ポリープ除去手術
ですのでご心配はありません。
ポリープは内視鏡で取るのですから入院不要の方が大部分です。
しかし、私は心臓に問題があってペースメーカーを入れていますので血をサラサラに
する薬を欠かせません。でもそれを飲んでいては手術ができません。
常用している薬を一時中止する代わりに別の薬を点滴する必要があるとのことで、入
院した次第です。
ポリープは無事に取れましたが6日間入院した結果、運動不足でまた体力が落ちて
しまい、今はそれの回復をしようと努力しているところです。

話は変わりますが、来月、私の中国時代のアシスタント兼通訳兼運転手の上海人が
家族そろって訪日し、我が家にも寄ってくれることとなりました。
娘さんが京都の立命館大学に留学が決まり9月の入学式に一家で訪日するついで
に(ついでにしては遠いが)横浜の我が家にも寄ってくれることになったからです。
彼女に限らず私がお付き合いしていた中国人の子弟の大部分が外国留学をしている
か留学のための勉強中です。
そこには、中国は豊かになったのだなーと思う以上に複雑な様相が見えてきます。
今号はそんな話題を中心に報告いたします。

【中国では外国留学は自然】
私が中国で働いている時代は多くの中国人にお世話になった。
私が日本語しか話せないということもあって仕事の上ではもちろん、私生活、の上で
も日本語が堪能な中国人の知人や友人は周りにたくさんいた。
彼ら彼女らの大半が日本への留学経験者である。
その方々が結婚し子供さんが進学する経緯を見ていると、ごく自然に(お子さんの意
志で)留学されている。

お嬢さんが立命館大学に入学する元アシスタントに、
「お嬢さんが留学となると経済的に大変だなー」と聞いたら、
「留学しても出費額は中学・高校時代と変わりないですよ。中学も高校も普通の公立
学校ではないし、幾つもの塾に行っていたからね」
とのこと。
日本の大学なら留学生向けには授業料や寮費を安くしてくれるし、成績次第では奨
学金も出るので今までの費用と変わらないそうだ。
それにしても夫婦で300万円ぐらいの年収では容易なことではないが
「いざとなればマンションを売ればよいです」と軽く言う。
一人っ子でなければ出来ないことだ。
そうまでして、何故猫も杓子も留学を希望するのか日本では考えられないことである。

【留学先第一位に選ばれない日本】
日本は、残念ながら留学希望先としては下位である。
留学希望先第一位はもちろんダントツでアメリカ。
第二位グループはヨーロッパ(イギリスかドイツが多い)、次が日本である。

アメリカにおける2014~2015年の出身国別の留学生統計数字が発表された。
ダントツの一位は中国。30万4千人で全体の1/3を占め、10年前に比べて約5倍。
中国に次いで多いのは、インド人の13万3千人、韓国人の6万4千人。
日本からの留学生はわずか1万9千人で、10年前の半分以下。

しかし、アメリカの留学費用は4年間で数千万円かかり、日本の2倍以上。
これではいくら一人っ子でも、政治家や高級官吏・企業経営者など一部の金持ちしか送り出せない。それでも30万人以上も留学しているとは恐れいる。

日本政府はこれではいかんと、「留学生30万人計画」を作成し各国に声をかけた。その優遇策が明らかになると、中国では一気に日本留学ブームが起きたそうだ。
日本への留学生は、昨年5月現在で20万8千人(対前年比13.2%増)。
留学生の多い国(地域)は中国(9万4千人)、ベトナム(3万9千人)、ネパール(1万
6千人)で欧米からはわずか。
「留学生30万人計画」といっても、その実態はアジア人留学生ばかりである。

【まだまだ低い日本の地位】
日米で何故これほど差があるのだろうか?
もちろん、言葉の問題が最も大きい。
日本語をマスターしてもそれを使って活動できる国は極めて限られている。
その点英語やスペイン語などは昔の植民地や移民の関係で活用出来る国が多い。
日本の経済的な地位は、中国に抜かれ相対的に下がったとみるべきだろう。
文化的にも青少年憧れのゲームやアニメはあっても日本から渡った本格的な芸術や
演劇は知名度が低く学生を惹きつける魅力に乏しい。

それでも、留学先に日本を選んでくれた中国人学生の、卒業後の進路が気になる。
最も多いのは、当然のごとく帰国して中国で就職する者。
次いで多いのが欧米への再留学。これの多くは日本留学中にアルバイトしてその費用を貯めていた。
残念なことは日本に残って就職してくれる者は、その次である。
日本就職組を圧倒的多数にしたいものであるがなかなか遠い夢のようだ。
その原因を中国人に聞くと、
「日本企業は中国人を下に見る傾向が強いからだよ」とのこと。
極めて残念なことである。

【急増する中国への留学生】
他方、中国への留学生受け入れは急増し、2012年では日本の倍の32万人もいる。
日本への留学生は前記のごとくアジア諸国からが大半であるが、中国へはアジア諸
国のみならず、欧米からの留学生も急増し、アメリカ人、フランス人、ドイツ人、何れも
日本へ来ている人数の10倍以上となった。
上海大学・複旦大学など有名大学のキャンパスを歩いたことがあるが、日本の大学
よりも遥かに国際的で多様な人々が見られる。

日本へ来た留学生の多くが(留学前はしぶしぶであっても)生活しているうちに親日
家・知日家になるのと同様、中国へ来た学生も親中国家・知中国家になるであろう。
そうなると、今後アメリカに於いても、ヨーロッパ諸国に於いても、知日家と知中国家
の比率は10倍以上の開きになるだろうと予測されてしまう。
これまた心配なことである。

【中国は何故留学希望が多いのか】
日本では留学希望者が年々減る一方である。
多くの人は若者の弱気・内向性・閉塞感・そして欠けているグローバリズムと色々な
原因があるが、最も大きい理由は日本に対する安全・安心感そして日本の大学への
信頼感・満足感であろう。
わざわざ大金をはたいて留学する意味・価値を見いだせないのであろう。

片や、中国人は留学希望者が何故増える一方なのか?
日本とは逆の、若者の強気・外向性・向上心・そして長けているグローバリズムと色々
な原因があるが、大きな理由は自国の大学に対する不信感・不満感であろう。
さらに、自国の将来に対しての不安感と政府に対する不信感は強烈なものがある。
しかし、上中流の中国人は、現在の共産党一党独裁政権を支持している。
その方が現在の位置を継続確保出来、既得権益を維持出来るからである。
しかし、これが永久に続いてよいとは思っていない。
いつかは倒れる政権だと思っている、というより倒れて欲しい。自由にものを言える国
になって欲しいと思っている。

子供を留学させる親は、密かに自由な国になってから戻って欲しいと思っている。
日本へ子息を留学のために送り出した上海人に
「彼(彼女)は卒業したら戻ってくるかな?」と聞くと、
ほぼ全員から次の答えが返ってくる。
「戻らないことを希望しています。もちろんそんなことは子供には言いません。
子供の意志に任せています」・・・寂しいことだ。


留学先としては第二第三希望の日本ではありますが、大部分の学生が日本を選んで
よかったと思ってくれることは嬉しいことであり、ほっとします。
しかし、前記のように来てくれる留学生の絶対数が少ないことは残念です。
何としても日本のイメージを上げて絶対数を増やしたいものです。
一方、日本人の留学生が少ないのは、高校生の姿を見なくても、親世代の行動やものの考え方を見ていると、何となくうなずけてしまいます。
日本の強みであった電器産業の衰退ぶりと何故か被ってしまいます。

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