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「上海レポート」1月号

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┃◆┃(社)いわき産学官ネットワーク協会News  2012.01.15        
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┃  「中国への企業進出セミナー」でお馴染みの
┃  佐藤忠幸氏から『上海レポート』が届きましたのでお知らせいたします。

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 現在、中国は上海に事務所を構え、
中国での会社設立・販路拡大等を支援している、
いわき市産学官連携アドバイザーの佐藤忠幸氏から
「上海レポート」1月号をお届けいたします。

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◇上海レポート1月号(中国の年末)◇

旧年中は大変お世話になりありがとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

今年の中国正月(春節)は、1月23日が元日で、連休は22日(日)の大晦日から始ま
ります。
他の休みも付けて28日(土)までの1週間を休日としています。
しかし、故郷が遠い人は既に帰省が始まっており、まさに今が年末真っ最中です。
そんな上海市街から拾った話題を報告いたします。

街の商店街やマンションの入口回りでは、赤い提灯が飾られ始めた。
忘年会は連日連夜、到底付き合いきれない。
商店では、お歳暮?お年玉?のお菓子袋が山積みとなった。
バーゲンセールも始まった。
全ての商品に「○折」と表示されている。
「○折」とは「○掛け」の意味。例えば7折とは7掛け(3割引)の意味。

真っ赤な女性下着がお店の正面に飾られ目のやりばに困る。
毎年のことだが、中国の女性は下着に関する羞恥心は薄いようだ。

今年の、春節前後(1月9日~2月16日)の旅客数は31.6億人と予測され史上最高。
内訳は、バスと船が28.9億人、鉄道が2.4億人、飛行機が3,400万人。
上海駅だけでも700万人強の人が利用するそうだ。
鉄道駅や、切符販売代理店には行列が出来始めた。

ところが、今年から異変が生じている。

鉄道切符を買うには、身分証明書番号が必要となった。
昨年からは、新幹線だけに適用されていたが、今年から全ての鉄道に適用された。
我々外国人は、パスポートを見せる必要がある。
そして、乗車の時にはそれを見せて、切符に記載された番号と照合される。
飛行機並の厳しさである。

テロ対策と、ダフ屋対策である。
御承知のように、中国には自由席が原則無い。
したがって、切符を買えなければ故郷へ帰れない。

もっと困ったことは、インターネットで切符が買えるようになったこと。
一見、並ばなくても済んで改善に見えるが、故郷に帰る庶民の大部分はコンピュー
ターを持っていない。
せっかく、長時間並んだものの、ネットで売り切れ続出。
欲しい日程の列車を買えず、数日後の切符を買わざるを得ない現象である。
今朝の汽車で帰ろうとして、作晩から並んだが、自分の番が回って来た時には既に売
り切れで2日後の切符しか買えず、ダフ屋から買おうとしたがダフ屋もいない。
このような多くの人はどうしたらよいのだろうか?

そう、バスや自動車での帰省となる。
したがって、数日前から遠隔地に通じる道路は込み始めた。
鉄道局の合理化で、困る人民が出ることはどう考えているのだろうか?
ある中国人にそれを言ったら、「ここは中国だよ、人民のことなど考えないよ!」
そればかりだけでは無いと思うが、そう感じている人民も多いようだ。
数十時間の労力もいとわず並んだが、中流階層にネットで買われた下層階級の憤懣は
如何ばかりか。

春節は、とにかく苦労しても帰省する。帰らなければ親不孝と言われる。
それが、昔からの習慣であり、長期に休める時期は他に無いからである。
7連休だけで帰省するにはしんどい。
バスや列車で帰るには、往復するだけでも3~4日かかる所はいくらでもある。
したがって、遠距離帰省は春節に集中し、2週間休む者はザラにいる。

会社としては、それでも2週間後に、戻って来てくれれば構わないと覚悟している。
正月明けの経営者の会話。「お宅は何%戻った?」
80%以上の人が戻ればよい方だ。
昨年のひどい会社では、逆数で80%が戻らなかったとして工場閉鎖をした。

地方からの出稼ぎ労働者(農民工という)が減った理由の主なものは下記である。
1、政府の方針で、西部開拓あるいは農村対策などの効果が出て来て、地方に職場が
できた。
2、都会の物価上昇で生活費が上昇し、仕送り金額が減った。
3、地方の経済成長にともない、土地や建築費が上昇し、今までの仕送り金額では家
を買うこともできなくなり、出稼ぎの価値が減った。

このあおりで、昨年労働争議が頻発したことは記憶に新しい。
上記の事情がありながら、都会で働く農民工の賃上げ要求は数10%では済まない。
100%である。そんな要求に、一挙に応えられる訳がない。
政府の長期計画(5年で所得倍増政策)もそれを後押ししている。
政策実現を一挙に、そして企業に一方的に押し付けただけである。

しかし、労働争議の原因はそれだけではない。
企業の労務管理無策が大きな原因である。(特に日系企業)
*経営者に当事者能力が無い。
*就業規則は他所から買った既製品で、争議行為に関する規制がない。
*公平・公正・透明な人事・賃金制度が無い。賃金規定すらもない。
(横並び賃金で団結しやすい)
*幹部教育をしてなく、幹部の意識が低い。(幹部意識よりも労働者意識が強い)
*労使関係構築という意識がない。労働団体を怖がっている。
*経営者も人事部長も、交渉能力が無い。

中国では、ストライキは法律で禁止(異論もあるが)されており、労組はストを抑制
する義務が負わされている。
労働者は、成果が無さそうなリスク(スト)は犯さないから、ストライキには毅然た
る態度で臨むべき。
しかし、当事者能力のない経営者は親会社に相談する。
そして、少額の妥協的小出し回答をするという最悪のことを行っている。
 他国に相談することで回答が長引き、労働者に期待を抱かせた。
 少額回答により、馬鹿にするなと労働者を怒らせ、且つ、交渉に対する自信を持た
せた。

またまた、年末風景から脱線してしまい申し訳ありません。
まあ、これによって目覚めた経営者が増えたことはよかったとも言えます。

騒然とする中国の春節(上海は静かだが)を中国で過ごされる日本人も多数います。
私も数回過ごしたことがありますが、観光に行こうにも、道路も寺社も超満員です。
そして、爆竹でうるさく、ほとんどアパートで静かに過ごしました。
お留守番の方は、本当に御苦労さまですね。

引き続き今年も、上海レポートは上海から発信させていただく予定です。
どうぞ、ご愛読ご意見のほどお願いいたします。

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 佐藤忠幸/Sato Tadayuki 佐藤中国経営研究所
 E-Mail: tada-sato@mvb.biglobe.ne.jp
 SBF.HP::http://www.sbfnet.cn/
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